【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
華「はい」
光一「またなにかあったら、連絡しろよ」
その声は心から華を心配してくれているように聞こえた。
小さくなっていく光一の背中を見つめながら、華は思った。
華(いまのは会社用のホワイト光一さんだったのかな、素のままの彼の姿だったのかな)
『本当の部分もあったはず』
そう言った悠里の顔が脳裏に浮かぶ。
『本音で向き合ってみるべき』
そんなこと、できるだろうか。できたとして、二人の関係はなにか変わるのだろうか。
○光一のマンション、玄関前。
その日、華はいつもより少し遅くマンションに帰った。
華(光一さんはきっと遅いだろうから、夕飯はパスタか炒飯か、簡単なもので済ませちゃおう)
そんなことを考えながら玄関を開けると、そこにはピカピカに磨かれ少しも汚れていないダークブラウンの革靴がきちんと揃えて置かれていた。
華「光一さん?帰ってたの?」
華は少しあわてて、リビングの扉を開ける。
○リビング。
光一「おかえり。俺のほうは今日は直帰だったから」
光一はキッチンでお皿を洗っているところだった。
華「ごめん。ごはん、今から作るから」
華はバッグを置いて、リビングの椅子にかけっぱなしにしていたエプロンを手に取る。
光一「いや。俺はもう適当に作って食べたから。冷蔵庫の食材は使わせてもらったよ」
華「……ごめんなさい」
光一は仕事が忙しく夕食は外で済ますことが多い。たまの早い日くらい、きちんとした食事を食べたかったはずだ。華はそう思ったけど、彼は不思議そうに首をひねった。
光一「なんで謝るの? 言ったじゃん。奥さんの役割は別に求めてないって」
光一「またなにかあったら、連絡しろよ」
その声は心から華を心配してくれているように聞こえた。
小さくなっていく光一の背中を見つめながら、華は思った。
華(いまのは会社用のホワイト光一さんだったのかな、素のままの彼の姿だったのかな)
『本当の部分もあったはず』
そう言った悠里の顔が脳裏に浮かぶ。
『本音で向き合ってみるべき』
そんなこと、できるだろうか。できたとして、二人の関係はなにか変わるのだろうか。
○光一のマンション、玄関前。
その日、華はいつもより少し遅くマンションに帰った。
華(光一さんはきっと遅いだろうから、夕飯はパスタか炒飯か、簡単なもので済ませちゃおう)
そんなことを考えながら玄関を開けると、そこにはピカピカに磨かれ少しも汚れていないダークブラウンの革靴がきちんと揃えて置かれていた。
華「光一さん?帰ってたの?」
華は少しあわてて、リビングの扉を開ける。
○リビング。
光一「おかえり。俺のほうは今日は直帰だったから」
光一はキッチンでお皿を洗っているところだった。
華「ごめん。ごはん、今から作るから」
華はバッグを置いて、リビングの椅子にかけっぱなしにしていたエプロンを手に取る。
光一「いや。俺はもう適当に作って食べたから。冷蔵庫の食材は使わせてもらったよ」
華「……ごめんなさい」
光一は仕事が忙しく夕食は外で済ますことが多い。たまの早い日くらい、きちんとした食事を食べたかったはずだ。華はそう思ったけど、彼は不思議そうに首をひねった。
光一「なんで謝るの? 言ったじゃん。奥さんの役割は別に求めてないって」