【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
6話 夫婦の攻防戦
○リビングルーム。朝。
その週末。さわやかな土曜日の朝。
華はパジャマ姿のまま珈琲を飲む光一に、白い紙を差し出した。
華「まずはお互いを理解するところから始めてみましょ。はい、この紙に
私の良いところをたくさん書いて。私も書くから」
光一は眉間にしわを寄せて、華を見返す。
光一「小学校の学級会じゃあるまいし……意味ないだろ」
華「意味があるかどうかは、やってみてから考えるの!」
光一「はいはい。承知しました、奥さん」
華の剣幕におされて、光一は渋々ながら紙を受け取る。
華「__できた?」
5分ほどして、華は自分の紙がずいぶんうまったことを確認してから、光一に問う。
光一「う~ん、まぁいくつかは」
こっちは紙いっぱい書いたというのに、いくつかとは薄情なものだ。
華はそうは思うものの、最初からケンカ腰ではうまくいくものもいかなくなる。つとめてにこやかな表情を浮かべた。
華「じゃあ、交換ね」
光一の字はとても美麗だった。本当に嫌みなほど、欠点のない人だ。
けれど、美しい文字でつづられた文章には首をかしげざるをえない。
『華の長所。その一、地味。服だのアクセサリーだのに無駄に金がかからない。
その二、家事が得意。俺は平日は時間がないから、ありがたい』
華「いくつかって……ふたつだけ? しかも、地味ってなんも褒めてないし」
『光一さんは私にベタ惚れ』とか、そんな図々しいことはもちろん思っていない。
けど、ここまで徹底して愛されていないとも思っていなかった。
華「うぅ……自分でした提案に、こんなに打ちのめされるとは」
その週末。さわやかな土曜日の朝。
華はパジャマ姿のまま珈琲を飲む光一に、白い紙を差し出した。
華「まずはお互いを理解するところから始めてみましょ。はい、この紙に
私の良いところをたくさん書いて。私も書くから」
光一は眉間にしわを寄せて、華を見返す。
光一「小学校の学級会じゃあるまいし……意味ないだろ」
華「意味があるかどうかは、やってみてから考えるの!」
光一「はいはい。承知しました、奥さん」
華の剣幕におされて、光一は渋々ながら紙を受け取る。
華「__できた?」
5分ほどして、華は自分の紙がずいぶんうまったことを確認してから、光一に問う。
光一「う~ん、まぁいくつかは」
こっちは紙いっぱい書いたというのに、いくつかとは薄情なものだ。
華はそうは思うものの、最初からケンカ腰ではうまくいくものもいかなくなる。つとめてにこやかな表情を浮かべた。
華「じゃあ、交換ね」
光一の字はとても美麗だった。本当に嫌みなほど、欠点のない人だ。
けれど、美しい文字でつづられた文章には首をかしげざるをえない。
『華の長所。その一、地味。服だのアクセサリーだのに無駄に金がかからない。
その二、家事が得意。俺は平日は時間がないから、ありがたい』
華「いくつかって……ふたつだけ? しかも、地味ってなんも褒めてないし」
『光一さんは私にベタ惚れ』とか、そんな図々しいことはもちろん思っていない。
けど、ここまで徹底して愛されていないとも思っていなかった。
華「うぅ……自分でした提案に、こんなに打ちのめされるとは」