【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
光一の勉強を邪魔しないように、華も読書に集中する。
話題のミステリーは読みやすく、あまり厚みがないこともあって、あっという間に読み終えてしまった。
この図書館は地下におしゃれなカフェが併設されている。本当は休憩がてらそこでお茶をしたかったけれど、隣の彼があまりにも熱心に本を読みこんでいるのでそれは我慢した。
華は二冊目の本に手を伸ばす。二冊目は海外作家のコージーミステリー。この手の軽く読めるミステリーは華の好みにドンピシャなのだけど……翻訳家があまり好みに合わず、なかなか作品世界に入りこめなかった。
○ふたたび街中
光一「仮眠禁止って目の前に張り紙されてたのに、よくあそこまで堂々と寝れるもんだな」
くっ、くっと肩で笑いながら、光一が言う。
華「寝るつもりはなかったの。でも日差しがあったかくて、ついウトウトと……」
光一「ま、おかげでこっちは勉強がはかどったよ」
光一の嫌みに、華は返す言葉もない。
光一「昼飯は? なに食べたい? 俺は……」
華「イタリアン!」
光一「和食かなぁ」
同時に言って、ふたりでぷっと噴き出した。
光一「おもしろいくらい、気が合わないな」
華「ほんとに……」
光一「いいや。ランチは華に譲る。隣の駅にうまいパスタがあるから、そこにしようか」
華「いいの?」
光一「そのかわり、午後の映画は俺の好きなのでいい? ちょうど見たかったやつがあるんだ」
華「え~なに、なに?」
華は彼の回答を待った。実は華も見たかった映画があるのだ。アカデミー賞の候補作になっているミュージカル映画だ。
華(もし同じだったら、嬉しいな)
でも、もし違う映画を提案されても、自分もそれを見たかったと答えようと決めていた。
話題のミステリーは読みやすく、あまり厚みがないこともあって、あっという間に読み終えてしまった。
この図書館は地下におしゃれなカフェが併設されている。本当は休憩がてらそこでお茶をしたかったけれど、隣の彼があまりにも熱心に本を読みこんでいるのでそれは我慢した。
華は二冊目の本に手を伸ばす。二冊目は海外作家のコージーミステリー。この手の軽く読めるミステリーは華の好みにドンピシャなのだけど……翻訳家があまり好みに合わず、なかなか作品世界に入りこめなかった。
○ふたたび街中
光一「仮眠禁止って目の前に張り紙されてたのに、よくあそこまで堂々と寝れるもんだな」
くっ、くっと肩で笑いながら、光一が言う。
華「寝るつもりはなかったの。でも日差しがあったかくて、ついウトウトと……」
光一「ま、おかげでこっちは勉強がはかどったよ」
光一の嫌みに、華は返す言葉もない。
光一「昼飯は? なに食べたい? 俺は……」
華「イタリアン!」
光一「和食かなぁ」
同時に言って、ふたりでぷっと噴き出した。
光一「おもしろいくらい、気が合わないな」
華「ほんとに……」
光一「いいや。ランチは華に譲る。隣の駅にうまいパスタがあるから、そこにしようか」
華「いいの?」
光一「そのかわり、午後の映画は俺の好きなのでいい? ちょうど見たかったやつがあるんだ」
華「え~なに、なに?」
華は彼の回答を待った。実は華も見たかった映画があるのだ。アカデミー賞の候補作になっているミュージカル映画だ。
華(もし同じだったら、嬉しいな)
でも、もし違う映画を提案されても、自分もそれを見たかったと答えようと決めていた。