【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
光一「だめ。もう決めたから」
彼はそう言うと、華の手をひき立ち上がらせた。
次の瞬間、華の体はふわりと宙に浮いていた。肥満ではないけれど決してスリムではない華を、光一が軽々と抱き上げたのだ。そして、その状態のまま寝室に向かってスタスタと歩き出す。

華「お、重くない?」
光一「まぁ、それなりかな」
華「そこはお世辞でも、軽いって言ってほしいんだけど」
光一「いいんだよ。ガリガリの女は苦手だし、このくらいがちょうどいい」
にやりと笑った彼の端正な顔がゆっくりと近づいてくる。
形のよい薄い唇が華の耳を軽くはんだ。
華「ぎゃっ」
動揺しすぎて、体に変な力が入ってしまった。腕の中から落ちそうになる華を、光一があわてて抱き直した。
光一「あぶねーな。いいから、大人しくしてろ」
華「なら、変なことしないでよ……」
華は小さな声で抗議したが、彼には効き目がなかった。いや、むしろ逆効果だったようだ。
光一「こっちばっかり振り回されるのは癪だしなぁ。今夜は華に乱れてもらおうかな」
華「み、みだれって!」
おかしな声が出た。ついでに顔も、相当おかしかったのだろうか。
光一はぶはっとふきだすように笑った。
光一「色気ねぇなぁ」
華「だ、だって。光一さんがおかしな、おかしなこと言うからっ」

華(そもそも、私に色気を求められても困る)
典型的な日本人体型で胸もおしりもぺたんこだ。かといって、恋愛経験も乏しいから内面から色っぽくというのも無理な話だった。




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