【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
ふいをつかれたのか、光一は一瞬真顔になる。そのあと、おかしそうにクスリと笑った。
光一「読めねぇな。おとなしそうに見えて、時々やけに積極的だし」
華「本当におとなしい子なら、耐えきれなくてとっくに離婚してると思う」
光一「たしかにな」

しばしの沈黙のあと、光一はゆっくりと華の背中に腕を回した。
きゅっと、優しく抱きすくめられる。良い匂いがふわりと鼻をかすめた。
ビターなのに、どこか甘さの残る、光一の匂いだ。

コツンと額をくっつけながら、光一は低くささやく。
光一「意識はしてるよ。いま俺が、女として見てるのは華だけだ」
華は自分の体温が急激に上昇していくのがわかった。夢を見ているような、不思議な心地のなかで、華は言葉を重ねた。
華「そ、それって、この先、恋になったりとか……」
光一「さぁ。それはどうかな?」

華が恋する相手は、悪戯な瞳で、にやりと不敵に笑った。

光一「そういやさ、華の両親て普段はどんな感じなの?」
互いになんとなく、寝つけないでいた。

華(なんて、かっこつけてみたけれど、光一さんに抱きしめられているこの状況で眠れるはずがないっ)

それを察してか、彼が他愛ない話題をふってくれた。



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