【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
〇華の部屋、夜。

布団にごろりと寝転がって、華は呆然とその紙を見つめていた。
しばらくはショックでなにも考えることができなかったが、次第に
落ち着き事態をのみこめるようになってきた。

華(これって、やっぱり、私に出ていけって言ってるんだよね。張る場所を間違えた……
とかじゃないよね)

この部屋は角部屋で、唯一のお隣さんは穏やかな老夫婦だ。

華(あのおっとりしたおばあちゃんに、尻軽女はないもんね)

警察とかに連絡するべきなのだろうか。いや、この程度でするのはおかしいか。
こんな経験はじめてなので、どうすべきなのかよくわからない。

華(警察にはなんて言うんだろう。名誉棄損?それともストーカーとか?)

華「あっ、そうだ光一さん。光一さんに……」

この段階になって、ようやく華は光一に連絡するべきだということに気がついた。
自分で思っている以上に、かなり動揺しているようだ。つかみかけたスマホを
落としてしまった。

華「落ち着いて、落ち着いて。まずは光一さんに連絡を」

華はスマホの発信ボタンを押し、震える手で耳に押し当てた。
だが、光一につながる前に自らスマホを置いた。
ある可能性に思い当たったからだ。

華(もしかして、犯人って光一さんの……)

考えだすと、そうとしか考えられなかった。光一を想う誰かが、華を恨んでこんな手紙
を出した。それが一番筋が通っているように思う。








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