【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
13話 真実は……
〇会社受付。昼。

翌朝。華は悠里の家から出勤し、いつも通りに業務をこなしていた。
光一から何度も着信があったが、無視し続けていた。

華(光一さんときちんと話すべきなのはわかってるけど……でも、自分のことは棚にあげて、松島さんとの仲を疑うって、なんなのよー!)

話すべきという理性と怒りの感情がぶつかりあい、結局は感情のほうが勝ってしまう。

華(とはいえ、悠里の家にお世話になるのももう一日くらいが限度よね。通勤が死ぬほど大変だけどやっぱり実家かな〜。けど、小姑がいすわったら舞子ちゃん(弟嫁)嫌だろうしなぁ)

華の実家は弟夫婦との二世帯住宅にリフォーム済みなのだ。そのため、実家とはいえ長くは世話になれない。


〇社内カフェテリア。昼。

松島「よ。呼び出して悪かったな」
A定食をのせた盆を持った松島が光一の隣に腰かけた。
光一「……おつかれさん」
わかりやすく不機嫌な光一に、松島は苦笑する。
松島「なんだよ。まさか本気で俺と白川さんがどうこう……とか疑ってんのか。昨日
メールで説明したとおり、俺は誓って潔白だぞ」
光一「お前はともかく、華がそんな器用なタイプじゃないことはわかってる」
松島「心外だな。俺だって、不器用で繊細なのに。--じゃ、なんで、そんな
いらついてんだよ」
松島はA定食のアジフライをくわえながら、首をかしげた。

光一「別に……」
松島「男のやきもちは見苦しいぞ。女の子はかわいいから、いいけどさ」
光一はちっと小さく舌打ちをする。松島のいうとおり、ただの嫉妬だという
のは自覚している。











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