【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
美香のいう『うちの本社』とは子会社である花園クリエイティブ社のことだ。
華や美香はそこの正社員なのだ。花園クリエイティブの本社は隣駅にある。
光一(走ったほうが早いか)
光一は一刻も早く華と話がしたかった。電話に出てもらえない以上、直接会うしか
手段がない。
隣駅に向けて走りだそうとしたその瞬間、光一の胸ポケットのスマホが鳴った。
華かと思い、慌てて出たが、相手は部署の後輩だった。
後輩『鈴ノ木さん、いまどちらですか?大変なんです、四葉商事が急に合同出資の
件を白紙に戻したいと連絡してきて……』
四葉商事の主担当は光一だった。すぐに四葉商事に出向かねばならない事態だった。
光一(くそっ……)
光一は一瞬の逡巡ののち、『すぐ戻る』と短く伝え電話を切った。
部署に戻る途中、華にメールを打った。
『絶対にひとりになるな。仕事が終わり次第、迎えに行く』
〇花園クリエイティブ本社
どでかい自社ビルの花園商事本体と違い、こちらは駅前の小さなビルの1フロア
を借りているだけだ。社長以下役員たちも同じ部屋で仕事をしていて、なんとも
アットホームな雰囲気だ。
華(でも、実はこっちのほうが落ち着くのよね)
小林(パートのおばちゃん)「あら、白川ちゃん。今日はこっちなの?」
華「お疲れ様です、小林さん。はい、月間報告と資料整理のお手伝いに」
小林「資料整理なんて、大した量でもないのにね~。白川ちゃん、人が
いいから課長にいいように使われてんのよ」
山田は華の上司である山田課長を横目でちらりと見た。課長は新聞を片手にうとうとと船をこいでいる。はっきり言って、暇そうだ。
華は苦笑する。
華「でも、たまにこっちに来るのもいい気分転換になるんですよ」
華や美香はそこの正社員なのだ。花園クリエイティブの本社は隣駅にある。
光一(走ったほうが早いか)
光一は一刻も早く華と話がしたかった。電話に出てもらえない以上、直接会うしか
手段がない。
隣駅に向けて走りだそうとしたその瞬間、光一の胸ポケットのスマホが鳴った。
華かと思い、慌てて出たが、相手は部署の後輩だった。
後輩『鈴ノ木さん、いまどちらですか?大変なんです、四葉商事が急に合同出資の
件を白紙に戻したいと連絡してきて……』
四葉商事の主担当は光一だった。すぐに四葉商事に出向かねばならない事態だった。
光一(くそっ……)
光一は一瞬の逡巡ののち、『すぐ戻る』と短く伝え電話を切った。
部署に戻る途中、華にメールを打った。
『絶対にひとりになるな。仕事が終わり次第、迎えに行く』
〇花園クリエイティブ本社
どでかい自社ビルの花園商事本体と違い、こちらは駅前の小さなビルの1フロア
を借りているだけだ。社長以下役員たちも同じ部屋で仕事をしていて、なんとも
アットホームな雰囲気だ。
華(でも、実はこっちのほうが落ち着くのよね)
小林(パートのおばちゃん)「あら、白川ちゃん。今日はこっちなの?」
華「お疲れ様です、小林さん。はい、月間報告と資料整理のお手伝いに」
小林「資料整理なんて、大した量でもないのにね~。白川ちゃん、人が
いいから課長にいいように使われてんのよ」
山田は華の上司である山田課長を横目でちらりと見た。課長は新聞を片手にうとうとと船をこいでいる。はっきり言って、暇そうだ。
華は苦笑する。
華「でも、たまにこっちに来るのもいい気分転換になるんですよ」