【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
小林「そんなこと言ってると、こっちの経理あたりに異動させられちゃうわよ」
華「あはは」

小林と雑談をしていると、スマホが振動しメールの受信を告げた。
光一からだった。華は胸の奥がずきりと痛むのを感じた。

華(心配してくれてるんだよね。わかってるけど……)
光一と話をしなければ、なにも解決しない。それはわかっているのだ。
華は迷ったすえに、返信のメッセージを送った。

『わかりました。本社近くのカフェなかにかで待ってるので、仕事が
終わったら連絡ください』


おそらく、光一のほうが仕事が終わるのは遅いはずだ。ならば、華のほうが
そっちに行くほうがいいと思ったのだ。
資料整理という地味な作業は、いまの華にはありがたかった。
ゆっくりと気持ちを落ち着けて、光一の口からどんな言葉が飛び出ても
取り乱さないよう覚悟を決めなければ。


〇花園商事本社近く、外。夜7時過ぎ。

『もうすぐ本社に着きます。私も遅くなったので、本社のエントランスの前で
待ってます』
華はメッセージを打ちながら、本社ビルに向かって足早に歩いていた。
資料整理じたいは定時に終わったのだが、課長の長話に付き合わされて、すっかり遅くなってしまった。
光一のほうも7時半には仕事を切り上げられると連絡があったので、カフェでは
なく本社待ち合わせに変更することにしたのだ。







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