お屋敷の雪と奈奈
2.日常
みずみずしく緑が初夏を匂わせる和風庭園に、臙脂色の羽織をかけた背中がぽつりと立っていた。
「雪さん!」
淡いクリーム色の髪を風になびかせた着物の男は、元気の良い声の方へ振り向く。
朗らかな笑みがこぼれた。
「奈奈、おはよう」
奈奈と呼ばれた少女は、その姿を見るなりニコッと笑うとおはようございます!とお辞儀をした。
「今日はなんのお手入れですか?」
「今日は朝顔だよ。そろそろ花を咲かせる時期に近づいてきたから、様子を見ようと思ってね」
朝顔はまだ花は咲いていないものの、緑色のキュッと先のしぼったつぼみをつけていた。
優しく手のひらで下からそれを包み込む。
もう2、3日で元気に花ひらきそうだ。
奈奈も手のひらを覗き込むようにして隣にかがんだ。
「雪さん!」
淡いクリーム色の髪を風になびかせた着物の男は、元気の良い声の方へ振り向く。
朗らかな笑みがこぼれた。
「奈奈、おはよう」
奈奈と呼ばれた少女は、その姿を見るなりニコッと笑うとおはようございます!とお辞儀をした。
「今日はなんのお手入れですか?」
「今日は朝顔だよ。そろそろ花を咲かせる時期に近づいてきたから、様子を見ようと思ってね」
朝顔はまだ花は咲いていないものの、緑色のキュッと先のしぼったつぼみをつけていた。
優しく手のひらで下からそれを包み込む。
もう2、3日で元気に花ひらきそうだ。
奈奈も手のひらを覗き込むようにして隣にかがんだ。