彼女を10日でオトします
な、何か、私、悪いことでも言ったかしら。
なんとなくここは、素直に「嫌い」と言っては、まずいような気がする……。
「き、嫌いというか……そう! 生理的に受け付けないのよ。特に、そのウルウルが」
ピシッ。戸部たすくから、そう聞こえた――ような。
固まる戸部たすく。
あれ? フォローしたつもり……。
「ぎゃははははは! キョンちゃん、イイよ! たすく、お前、完っ全に見込みないって!!」
ヒデさんは、腕を伸ばして、固まったままの戸部たすくの肩をバシバシ叩き、
「ははは、せ、せ、生理的に、む、無理って……もう、勘弁してえ! お腹がぁ」
琴実さんは、机に突っ伏して、天板をバシバシ叩いた。手、痛くないのかしら。
ちょっとよく解らないけれど、とにかく凄い迫力だわ、二人とも。
「ははっ……まさか、ここまでとは。
キョンちゃん、ここまで嫌がるなんて、他に誰か好きな人でもいるの?」
ひとしきり笑い終えたヒデさんの質問に、私は、どきりとした。
好きな人……。
「いるよ」
その声は、吐き捨てるような、突き刺すような、鋭い口調だった。
言ったのは、私じゃなくて――隣でスプーンを摘み上げた、戸部たすく。
なんとなくここは、素直に「嫌い」と言っては、まずいような気がする……。
「き、嫌いというか……そう! 生理的に受け付けないのよ。特に、そのウルウルが」
ピシッ。戸部たすくから、そう聞こえた――ような。
固まる戸部たすく。
あれ? フォローしたつもり……。
「ぎゃははははは! キョンちゃん、イイよ! たすく、お前、完っ全に見込みないって!!」
ヒデさんは、腕を伸ばして、固まったままの戸部たすくの肩をバシバシ叩き、
「ははは、せ、せ、生理的に、む、無理って……もう、勘弁してえ! お腹がぁ」
琴実さんは、机に突っ伏して、天板をバシバシ叩いた。手、痛くないのかしら。
ちょっとよく解らないけれど、とにかく凄い迫力だわ、二人とも。
「ははっ……まさか、ここまでとは。
キョンちゃん、ここまで嫌がるなんて、他に誰か好きな人でもいるの?」
ひとしきり笑い終えたヒデさんの質問に、私は、どきりとした。
好きな人……。
「いるよ」
その声は、吐き捨てるような、突き刺すような、鋭い口調だった。
言ったのは、私じゃなくて――隣でスプーンを摘み上げた、戸部たすく。