彼女を10日でオトします
カランカラン。
ベルが扉の開閉を知らせる。
外は、随分と風が強いみたいで、若奥様風の女の人が入ってくると共に、冷たい風が店内に吹き込んで来た。
お。弱冠厚化粧だけど、びっじーん。
「いらっしゃいませえ」
ここ二日間で培った営業スマイルを顔全体に広げた。
「カプチーノ」
1番隅のテーブルに座った女の人は、静かにそう告げると、小さなバックからペーパーバックを取り出した。
ハデめの服装に小さな花柄がちりばめられたパステルピンクのブックカバーがなんだか似合わない。
うーん。どっかで見たことあるような……。
しゅー。カウンターの中から吹き出す音に目を向ければ、シンクの上の棚を開けて、爪先立ちで中をガサゴソしているキョン。
「どったの?」
「シナモンスティック……確かここにあったような気がするんだけど……」
キョンは、独り言のように呟きながら、中を漁る。
シナモンスティックねえ。
俺は、キョンに背中を向けて、引き出しを開けた。
「キョン、こっちだよ」
勢いよく振り向いたキョンに、引き出しから取り出したシナモンスティックを1本見せた。
にしし。驚いてる、驚いてる。
ベルが扉の開閉を知らせる。
外は、随分と風が強いみたいで、若奥様風の女の人が入ってくると共に、冷たい風が店内に吹き込んで来た。
お。弱冠厚化粧だけど、びっじーん。
「いらっしゃいませえ」
ここ二日間で培った営業スマイルを顔全体に広げた。
「カプチーノ」
1番隅のテーブルに座った女の人は、静かにそう告げると、小さなバックからペーパーバックを取り出した。
ハデめの服装に小さな花柄がちりばめられたパステルピンクのブックカバーがなんだか似合わない。
うーん。どっかで見たことあるような……。
しゅー。カウンターの中から吹き出す音に目を向ければ、シンクの上の棚を開けて、爪先立ちで中をガサゴソしているキョン。
「どったの?」
「シナモンスティック……確かここにあったような気がするんだけど……」
キョンは、独り言のように呟きながら、中を漁る。
シナモンスティックねえ。
俺は、キョンに背中を向けて、引き出しを開けた。
「キョン、こっちだよ」
勢いよく振り向いたキョンに、引き出しから取り出したシナモンスティックを1本見せた。
にしし。驚いてる、驚いてる。