彼女を10日でオトします
「あ、俺、朝から浮かれすぎてて、大切な電話すんの忘れてたあ」
さいですか。そのテンションの高さ……ムカムカしてくる。
「ってことで、ちょっと俺、電話するね」
「どうぞ、御勝手に」
「…………」
どうしてか、戸部たすくは、携帯電話をにぎりしめたまま、私の顔をじーっと見つめる。……例のウルウルアイで。
「な、なによ」
「俺、電話するよ……?」
「だからなによ。すればいいじゃない」
ウルウルが一変――男がほっぺを膨らますな!
「えー! 何でよお。『相手は誰?』とか『デート中に電話しないで』って言ってくれないと寂しいじゃない」
「面倒」
「うわっ! 相変わらずはっきり言うねえ。
じゃ、ちょっと待っててね」
携帯電話を耳に当てながら、数歩私から離れた後、戸部たすくは喋り始めた。
ちょうど背中を向けてるし、今のうちに帰ってしまおうかしら。
いや、帰ったところで、駆け付けた戸部たすくに引っ張り出されるのは、目に見えているわ。
ああっ! イイところにバスが!!
このまま、あれに乗ってどこか遠くへ……。
背中を向いている戸部たすくに、ゆっくりと背中を向け、気付かれないように一歩、またいっ――
「あれ? 響子先生?」
ドッキーン!
さいですか。そのテンションの高さ……ムカムカしてくる。
「ってことで、ちょっと俺、電話するね」
「どうぞ、御勝手に」
「…………」
どうしてか、戸部たすくは、携帯電話をにぎりしめたまま、私の顔をじーっと見つめる。……例のウルウルアイで。
「な、なによ」
「俺、電話するよ……?」
「だからなによ。すればいいじゃない」
ウルウルが一変――男がほっぺを膨らますな!
「えー! 何でよお。『相手は誰?』とか『デート中に電話しないで』って言ってくれないと寂しいじゃない」
「面倒」
「うわっ! 相変わらずはっきり言うねえ。
じゃ、ちょっと待っててね」
携帯電話を耳に当てながら、数歩私から離れた後、戸部たすくは喋り始めた。
ちょうど背中を向けてるし、今のうちに帰ってしまおうかしら。
いや、帰ったところで、駆け付けた戸部たすくに引っ張り出されるのは、目に見えているわ。
ああっ! イイところにバスが!!
このまま、あれに乗ってどこか遠くへ……。
背中を向いている戸部たすくに、ゆっくりと背中を向け、気付かれないように一歩、またいっ――
「あれ? 響子先生?」
ドッキーン!