彼女を10日でオトします
合コンが、終わったのは10時過ぎ。
安田君は、お目当ての女の子と仲良くなれたみたい。めでたしめでたし。
お持ち帰りを禁じられた俺は、ミーナちゃんに電話しようかと考えて……やめた。
ここ、純情商店街は、俺を純朴にするみたいね。気分が乗らないの。
「たすくー、今日は助かったよ」
後ろから肩を叩かれた。ヒデ。
「これから琴美と飯食いに行くけど、たすくも一緒に行くか?」
ヒデとコットンの邪魔しろと?
「俺は、いいや」
「たすく、珍しく気が利くわねぇ」
コットン、誘っておいてそれはないよねぇ。
ヒデが100円ライターをカチっと鳴らせて、ラッキーストライクに火をつけた。
「たすくも吸うか?」
ボックスを上下に振って、タバコを1本器用に出すと、俺に傾けた。