彼女を10日でオトします
洗面所、鏡の中の俺は、やっぱり頬を腫らしてした。
手のひらを寄せると、じんわり熱い。
喧嘩なんかとは、別種類の痛み。
誰かが誰かを想うしるし。
冷やしてしまうのが、なんだかもったいないような気がして、じっと鏡の中を見つめる。
「いやん。俺って実はMなのかもお」なんて冗談も言う気にもなれず、じっと。
ほんと、どうしちゃったんだろうね、俺。
一番痛いはずのほっぺより、ずっとずっと、胸が軋むなんて。
嫌われたかもしれないキョンに、会わすツラなんてないはずなのに、こんなに会いたいなんて、ね。
キョンと会う……口実だったら、ある。
ちゃんと、謝らないと。
キョンの目を見て、できることなら抱きしめて「ごめんなさい」って素直に言おう。
もし、何か聞かれたら、全部曝け出そう。
それから、キョンのそばにいよう。許してくれなくても、嫌がられても。
せめて、手の火傷が癒えるまで。
もう一度、左頬に手をやると、やっぱり、暖かかった。
手のひらを寄せると、じんわり熱い。
喧嘩なんかとは、別種類の痛み。
誰かが誰かを想うしるし。
冷やしてしまうのが、なんだかもったいないような気がして、じっと鏡の中を見つめる。
「いやん。俺って実はMなのかもお」なんて冗談も言う気にもなれず、じっと。
ほんと、どうしちゃったんだろうね、俺。
一番痛いはずのほっぺより、ずっとずっと、胸が軋むなんて。
嫌われたかもしれないキョンに、会わすツラなんてないはずなのに、こんなに会いたいなんて、ね。
キョンと会う……口実だったら、ある。
ちゃんと、謝らないと。
キョンの目を見て、できることなら抱きしめて「ごめんなさい」って素直に言おう。
もし、何か聞かれたら、全部曝け出そう。
それから、キョンのそばにいよう。許してくれなくても、嫌がられても。
せめて、手の火傷が癒えるまで。
もう一度、左頬に手をやると、やっぱり、暖かかった。