彼女を10日でオトします
頭が煙を吹いてショートしてしまう寸前、扉が開いた。
「連れて来たぞ」
という生徒会長の後ろに、鮮やかな金色に染め上げられた頭髪がチラリと窺えた。
荒木……薫?
「薫、あれが例の客だ」
会長は、そのまま私の横を素通りし、部屋の奥のソファーに腰をかけた。
目の前に立っている、金髪の男性は眉をひそめて私を見下ろす。
……というか、これ、ほぼ間違いなく睨みつけられているわよね。
「あんた、誰?」
初対面で、当たり前で、率直な感想に、私の後ろの方(特にソファーのあたり)で殺気だつ気配を感じた。
ぞくり。背中を冷たいものが流れる。
「あ、あの……私……」
「メロンフロート……の目……もしかして、あんたがキョン?」
キョン!?
なんで、荒木薫がそのへんちくりんなあだ名を知っているのよ!!
というか、どうして他校にまで、そのあだ名が蔓延してるのかしら!!
「そ、そうですけど……」
思いっきり顔が引き攣ってしまったのは、仕方がないと思う。
まさか、他校の、初対面の人に「キョン」だなんて呼ばれるとは爪の先ほども思っていなかったんだから。
「ああ、あんたのことは、うるさいくらいたすくから聞いてる。
つうか、うるせえってたすくに言っといて」
荒木薫は、彼の一番近くにあった椅子を引いてどかっと座った。
「言えないんです」
「あ? 何、アイツまだ、ベッドの中であの変な趣味やってるわけ?」
へ、変な趣味!?
「たすくに口答えできねえように仕向けられてんだろ?」
はい? 何よ、それ。
「ええと、た、たぶん、それとは、話が違うかと……」
……たすくさんを捜すのやめようかしら。
「連れて来たぞ」
という生徒会長の後ろに、鮮やかな金色に染め上げられた頭髪がチラリと窺えた。
荒木……薫?
「薫、あれが例の客だ」
会長は、そのまま私の横を素通りし、部屋の奥のソファーに腰をかけた。
目の前に立っている、金髪の男性は眉をひそめて私を見下ろす。
……というか、これ、ほぼ間違いなく睨みつけられているわよね。
「あんた、誰?」
初対面で、当たり前で、率直な感想に、私の後ろの方(特にソファーのあたり)で殺気だつ気配を感じた。
ぞくり。背中を冷たいものが流れる。
「あ、あの……私……」
「メロンフロート……の目……もしかして、あんたがキョン?」
キョン!?
なんで、荒木薫がそのへんちくりんなあだ名を知っているのよ!!
というか、どうして他校にまで、そのあだ名が蔓延してるのかしら!!
「そ、そうですけど……」
思いっきり顔が引き攣ってしまったのは、仕方がないと思う。
まさか、他校の、初対面の人に「キョン」だなんて呼ばれるとは爪の先ほども思っていなかったんだから。
「ああ、あんたのことは、うるさいくらいたすくから聞いてる。
つうか、うるせえってたすくに言っといて」
荒木薫は、彼の一番近くにあった椅子を引いてどかっと座った。
「言えないんです」
「あ? 何、アイツまだ、ベッドの中であの変な趣味やってるわけ?」
へ、変な趣味!?
「たすくに口答えできねえように仕向けられてんだろ?」
はい? 何よ、それ。
「ええと、た、たぶん、それとは、話が違うかと……」
……たすくさんを捜すのやめようかしら。