彼女を10日でオトします
「普通は任せないだろうね。
でも、俺、普通じゃないから。
情報は全部頭の中に入る。親父が政治家。
報酬は一切貰わなかった」

「それでも……中学生でしょ?」

「組が大きな組織に吸収された直後っていうタイミングも良かっただろうし。
それに、俺がやってたのって、電話受けて場所と時間決めてただけだから。
後は、運ぶ専門の人にお任せってやつ」

「想像できない世界だわ。なんというか、その、凝ってるのね」

「いんや、方法としては古い方なんじゃない?
今のシステムは知らないけど。
たぶん、今は違う方法でやってると思うよ。
俺が捕まったからねえ」

「掴まった?」

「うん。自首したの。
母親に復讐するっていう目的を達成したからね」

「復讐……」キョンの肩を抱く俺の腕に、キョンは手を重ねた。「どうして? どうして復讐なんて……家族でしょ?」

「俺が、ガキすぎたんだろうね。
ガキの俺にはキツすぎた。
母親と親父の若い秘書がセックスしてる姿ってのは」


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