彼女を10日でオトします
「それで、俺、余計におかしくなっちゃったんだろうね。
何もかもがどうでもよくなって……」
「それが原因で、自分のお腹、刺したの?」
キョンの問いに、ドキリ、とした。
「……それ、誰から訊いたの?」
「ヒデさん」
ヒデか。と、いうことは、琴実はまだあの時の約束を守って……。
「……それで、次に目を覚ましたときは、こっちの病院だった。
その時俺の手を握ってくれたのが、ばあちゃんだったんだ」
雲が太陽を隠した。
そのゆるりゆるりと進む雲、太陽の光を受けて淵が光る。
「それから1年、ここで暮らした。
1年かけて、新しい俺を作ったんだ。
キョン、寒くない?」
「平気」
キョンはそういいながらも、その肩に巻きついた俺の腕をより一層強く抱く。
「……キョンが知ってる俺は、作りもんなんだ」
息を吸い込んだ。慣れたのか、潮の匂いは感じられない。
「ふーん」
何て答えが返ってくるか、内心どぎまぎしていたのにも関わらず、テキトウなキョンの反応に肩の力が抜ける。
「ふーんって何よ、ふーんって」
「そんなの、どっちだっていいもの。
たすくさんは、たすくさんでしょ?
どんなたすくさんだって、たすくさんに変わりはないわ」
ばあちゃんも、そう言った……。
何もかもがどうでもよくなって……」
「それが原因で、自分のお腹、刺したの?」
キョンの問いに、ドキリ、とした。
「……それ、誰から訊いたの?」
「ヒデさん」
ヒデか。と、いうことは、琴実はまだあの時の約束を守って……。
「……それで、次に目を覚ましたときは、こっちの病院だった。
その時俺の手を握ってくれたのが、ばあちゃんだったんだ」
雲が太陽を隠した。
そのゆるりゆるりと進む雲、太陽の光を受けて淵が光る。
「それから1年、ここで暮らした。
1年かけて、新しい俺を作ったんだ。
キョン、寒くない?」
「平気」
キョンはそういいながらも、その肩に巻きついた俺の腕をより一層強く抱く。
「……キョンが知ってる俺は、作りもんなんだ」
息を吸い込んだ。慣れたのか、潮の匂いは感じられない。
「ふーん」
何て答えが返ってくるか、内心どぎまぎしていたのにも関わらず、テキトウなキョンの反応に肩の力が抜ける。
「ふーんって何よ、ふーんって」
「そんなの、どっちだっていいもの。
たすくさんは、たすくさんでしょ?
どんなたすくさんだって、たすくさんに変わりはないわ」
ばあちゃんも、そう言った……。