彼女を10日でオトします
「何度も断ったの。関わりたくないって。
私、誰も彼も無差別に占えるほど、人間できてないから。
私なりのルールがある」
ルール……。
「『11』が出ていた場合、私は、絶対に占わない」
「『11』って、『死』……だったよね?」
「そう。死に行く運命の人。
戸部さん……たすくさんのお父さんが占って欲しいと指さした男の子には『11』が出ていたから、私は断った」
俺が燃やした家族写真の男の子って……俺?
「俺の『11』が出てたの……?」
キョンは、ゆっくりと、でも確実に首を縦にふった。
嘘だろ……?
「でも、俺は生きてる」
「ええ」
「どういうこと……?」
「今、たすくさんの数字は見えない。だから何ともいえないけれど……。
簡単なこと。私の占いが外れたのよ、きっと」
俺とキョンが中2のとき、親父は、俺が燃やした『家族写真』をキョンに見せた。
『家族写真』の俺に、キョンは『11』、死の暗示を見た。
しかし、俺は、生きてる……ってことは。
「私、ずっと気になってたの。たすくさんだけ、数字が見えない理由。
でも、これで説明がつく。
『私は、自分の占いが外れることがあるなんて思ってなかった。私の意識の中では、たすくさんは、すでに死んでいた。だから数字が見えなかった』」
キョンは写真にうつっている幼い俺(『11』を見た)と今の俺を同一人物と、無意識の中で、認識して死んでいる人間と位置づけた。
だから、キョンには俺の数字が見えなかった。
……ありえなくは、ない。
でも、キョン。キョンだって気づいてるでしょ?
その推論は、根本から破綻してる。
私、誰も彼も無差別に占えるほど、人間できてないから。
私なりのルールがある」
ルール……。
「『11』が出ていた場合、私は、絶対に占わない」
「『11』って、『死』……だったよね?」
「そう。死に行く運命の人。
戸部さん……たすくさんのお父さんが占って欲しいと指さした男の子には『11』が出ていたから、私は断った」
俺が燃やした家族写真の男の子って……俺?
「俺の『11』が出てたの……?」
キョンは、ゆっくりと、でも確実に首を縦にふった。
嘘だろ……?
「でも、俺は生きてる」
「ええ」
「どういうこと……?」
「今、たすくさんの数字は見えない。だから何ともいえないけれど……。
簡単なこと。私の占いが外れたのよ、きっと」
俺とキョンが中2のとき、親父は、俺が燃やした『家族写真』をキョンに見せた。
『家族写真』の俺に、キョンは『11』、死の暗示を見た。
しかし、俺は、生きてる……ってことは。
「私、ずっと気になってたの。たすくさんだけ、数字が見えない理由。
でも、これで説明がつく。
『私は、自分の占いが外れることがあるなんて思ってなかった。私の意識の中では、たすくさんは、すでに死んでいた。だから数字が見えなかった』」
キョンは写真にうつっている幼い俺(『11』を見た)と今の俺を同一人物と、無意識の中で、認識して死んでいる人間と位置づけた。
だから、キョンには俺の数字が見えなかった。
……ありえなくは、ない。
でも、キョン。キョンだって気づいてるでしょ?
その推論は、根本から破綻してる。