彼女を10日でオトします
「お前なあ、仮にも教員の俺をそういう場に誘うなよ。しかもお前ら付き合ってるんだろう?」

 貴史ちゃんは、ヒデとコットンを交互に指差した。

「いいの。あたしも行くから」

 あたしもって、コットン。カップルで合コン行って何が面白いんだかね。

「たすくも行くからさあ、真田先生も行こうよ」

 と、ヒデ。
 おいおい、ちょっと待ってよ。

「俺も行くってどういう事よ?俺、今日デートなんだけど」

「知ってるよ。だいたい、たすく、お前、毎日デートだろ。で、相手はだれ?」

「ん?ミーナちゃん」

 ヒデがいやらしくにやぁっと笑う。は!まずった!

「ふうん。ミーナちゃんね。やれ!琴実!」

 ヒデの掛け声と共に、コットンが俺に飛び掛ってきた。

「くらえ、たすく!十文字固め!」

「ぎゃーー!!コットン、マジ痛いって!」

「琴実!そのままたすくを逃がすなよ!」

「がってん!」

 折れる!骨がミシミシいってますけど!!
 ヒデは、枕元から、俺の携帯を取り上げた。すると、「ミーナ、ミーナ」とつぶやきながら、なんと勝手にいじり始めた。

「おい!ヒデ、お前まさか!あああ、イテテテテ」

「ミーナ二人いんじゃねーかよ!まぎらわしいな。とりあえず、カタカナのほうにかけてみるか」

「マジで!マジでかけんの!?ヒデ、やめようよ、人として!」

「うふ、たすく、まだ喋る余裕があるようね。これでどうだ!」

 コットンは、さらにきつく締め上げる。

「ぎゃあぁ!ギブギブ!」

「100マタのお前が人を語るな!外道め!
……あ、ミーナちゃん? オレオレ、たすくぅ。今日ね、いけなくなっちゃったの。ごめんね。うんうん、ちろんいいよ。愛してるぜ、はにぃ」
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