彼女を10日でオトします
 キョンの腕を掴んだまま、俺は、そうね、取りあえず、便器にシットダウン。

「あ、キョンも座る?」

 空いている左手で自分の膝を2回タップすると、案の定、

「お断りよ」

キョンのキビシーいお言葉が返ってきた。

「まあまあ、遠慮なさらずに。
キョンの体重って45、6でしょ? 俺と合わせたって100キロちょいだから大丈夫」

「そういう問題じゃ――わっ」

 キョンの言葉を遮るように、その細い腰を引き寄せながら、危なげによろけた足をはらうと、

「ほーら、いっちょあがりぃ」

「なっ!? 離しなさい」

俺の膝、厳密に言うとももに、キョンは座る形になったのでした。にしし。

「うわぁ。かっわいーい」

 さすが、アラビアン占い師、ジャスミン響子。JR舞浜駅の広大な土地に広がる『夢の国』から抜け出したアラビアンプリンセスだわ。

 ……つうか、ジャスミン王女のコスプレ?

「それにしても、いい眺めぇ。目のやり場に困っちゃうわ」

「あ、あんたねぇ、そういう言葉は、目を伏せてから言いなさいよね」

「大好物が目の前にあったら、凝視するじゃないの、普通。
ふうん、キョンちゃん、B……おおめにみてCカップ?」

「そんなに殴られたいの?」
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