彼女を10日でオトします
そのヘラヘラを無視して、自分の席に向かう。
そこに堂々と座っている戸部たすくをできるだけ視界に入れないようにしながら。
「ねぇ、キョン~」
「何よ」
前の時間一度も使われなかった可哀相な教科書を机の中にしまおうと……戸部たすくが邪魔。
「キョーン」
その甘ったるい声は、どこから出てくるのかしら、まったく。
「戸部さん、取りあえず、そこからどいてくれないかしら」
戸部たすくは、横に立った私を大きな目をぱっちり開けて見上げる。
……そのうるうる、どこで身につけたのよ。
次の瞬間、戸部たすくは何を思ったのか、いきなり飛びついてきた。
「ぎゃっ!」
奇声を発したのは、たぶん私。
後頭部と背中にある異物は、たぶん戸部たすくの手。
そこまで、確認すると、私の頭は真っ白になった。
ばさり。手にしていた教科書とノートが音を立てて床に落ちた。
「うほぉ。キョンだあ。キョンの匂いだあ。あん、だめっ。俺、イッちゃいそ」
「なっ! なんなのよ! 離しなさい!」
私の必死の訴えも虚しく、戸部たすくの腕はさらに力を増す。
「やぁよ。キョンこそ、なんなのよ。一緒にトイレに入った仲じゃない」
そこに堂々と座っている戸部たすくをできるだけ視界に入れないようにしながら。
「ねぇ、キョン~」
「何よ」
前の時間一度も使われなかった可哀相な教科書を机の中にしまおうと……戸部たすくが邪魔。
「キョーン」
その甘ったるい声は、どこから出てくるのかしら、まったく。
「戸部さん、取りあえず、そこからどいてくれないかしら」
戸部たすくは、横に立った私を大きな目をぱっちり開けて見上げる。
……そのうるうる、どこで身につけたのよ。
次の瞬間、戸部たすくは何を思ったのか、いきなり飛びついてきた。
「ぎゃっ!」
奇声を発したのは、たぶん私。
後頭部と背中にある異物は、たぶん戸部たすくの手。
そこまで、確認すると、私の頭は真っ白になった。
ばさり。手にしていた教科書とノートが音を立てて床に落ちた。
「うほぉ。キョンだあ。キョンの匂いだあ。あん、だめっ。俺、イッちゃいそ」
「なっ! なんなのよ! 離しなさい!」
私の必死の訴えも虚しく、戸部たすくの腕はさらに力を増す。
「やぁよ。キョンこそ、なんなのよ。一緒にトイレに入った仲じゃない」