先輩、俺を見てください
「私、三年生だからすぐ卒業しちゃうし……。それに優馬は「友達」としか見れないから……」

優馬ともしも同級生だったら、恋に落ちていたかもしれない。しかし、二人の関係は先輩と後輩だ。お互い、忙しくなる時期が違う。そうなればすれ違って傷つくことになるかもしれない、そう思うと亜美は優馬に恋をすることはできなかった。

「……わかりました」

予想以上の穏やかな声に、亜美は驚いて優馬の方を見る。優馬は微笑んでいた。

「聞いてくれてありがとうございました。明日、一緒に頑張りましょう」

優馬がそう言ったことに亜美は安心する。

「うん!一緒にすてきな体育祭にしよう!」

優馬は生徒会室を出て行き、亜美はまた仕事に戻る。

いつもの光景だった。



「頑張れ〜!!」

「ファイト〜!!」

あちこちから応援する声が上がる。

体育祭は、きれいな青空の下盛り上がっている。応援をしながら亜美はホッとしていた。
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