先輩、俺を見てください
今は借り物競走の真っ最中。優馬も出場する競技だ。

朝、昨日のことがあり亜美は少し優馬に会うのが怖かった。しかし、優馬は「おはようございます」と亜美にいつものように笑ってくれた。

そのため、亜美の胸はもう痛まない。

紙に書かれたお題を優馬が探している。生徒たちはみんな誰かを必死に応援する。

「優馬!!頑張れ!!」

亜美がそう叫ぶと、優馬が一瞬こちらを振り返った。その目はまるで「大丈夫です」と言っているかのようだ。

優馬は校長先生を連れて走り出す。運動場がさらに盛り上がった。

他の選手も、それぞれお題に書かれたものを手にして走る。

優馬は二着だった。

「優馬!お疲れ〜!」

借り物競走が終わった後、亜美は戻ってきた優馬に声をかける。

「ありがとうございます!まさか借りてくるのが校長先生だったとは思わなくて、ちょっとびっくりしました」

「あはは。でも、すごく盛り上がってたよ」

体育祭は準備をした時のように順調に進んでいく。
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