先輩、俺を見てください
男子たちによる騎馬戦や、女子たちによるダンス。玉入れやムカデ競争、部活対抗リレーなどたくさんの競技で盛り上がる。

そして、亜美も出場するクラス対抗リレーの番になった。亜美はアンカーを任されている。

「先輩、頑張ってくださいね!」

優馬が無邪気な笑顔を向ける。

「うん!優勝してみせるよ!」

そう言って、亜美は出場する選手が集まっている場所へと走った。

クラス対抗リレーは、男女四人ずつ走る。合図とともに、第一走者がバトンを持って走り出した。亜美のクラスは赤いバトンだ。

「頑張れ〜!」

「一組ファイト〜!!」

クラス対抗リレーは、体育祭の中で一番盛り上がる種目だ。座っていた生徒たちが立ち上がり、レーンの近くに集まって応援する。その声もさらに大きくなっていく。

第一走者が第二走者にバトンを渡す。四クラスのうち、亜美のクラスは三番目だ。しかし、まだ勝てる見込みはある。

第三走者にバトンが渡った刹那、第三走者の男子は一気に他のクラスの選手を抜いていった。その男子は陸上部の生徒だ。あっという間に一位になる。
< 7 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop