先輩、俺を見てください
しかし、他のクラスも負けてはいない。第四走者、第五走者が頑張り距離を縮めていく。

亜美は緊張しながらバトンが来るのを待っていた。今はみんなが頑張ってくれているおかげで一位になれている。アンカーである自分が、確実に勝利に導かなければならない。

ついにその時はやってきた。第七走者が亜美に赤いバトンを渡す。亜美は全力で走り出した。

歓声や応援する声が、亜美に走る気力を与えてくれる。息は上がり、汗が伝う。それでもスピードは緩まない。緩めてはいけない。

ゴールが近づいてきた。白いゴールテープが見える。亜美は勝利に頰を緩めていた。

その時、二組の男子生徒が亜美を抜いた。その男子の腕が強く亜美の体にぶつかる。亜美はよろけ派手に転んでしまった。

「会長!!」

「亜美!!」

三年生だけでなく、一年生や二年生も亜美を呼ぶ。他のクラスの選手が次々と亜美を抜かし、亜美のクラスはビリになってしまった。

亜美は慌てて立ち上がろうとするが、足をひねってしまったのか、足に痛みが走って動けない。
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