仮眠室で囁いて
花屋の脇に立っている坂口先生は目立っていた。
通りすぎる女性たちがみんなチラリと先生の端正な顔を眺めている。

ドキドキしながらかけより声をかける。
「すみません、お待たせしました」
ニッコリ微笑まれてビックリするほど鼓動が早まる。

「行こうか」
スッと手を繋がれて服部先生の顔が頭をよぎる。

「あの…坂口先生、、、」

振りほどくわけにもいかず、困って長身の先生を見上げると、クスリと笑い

「服部先生に怒られるかな?」

そういいながらも離す気配はなく、さらにきつく握りしめてきた。
「今だけいいでしょ?
前から可愛いなって思ってたけど、なかなか高橋さんに近づけなくって。」

あぁ流石モテる人は女のコを喜ばせる台詞をさらりと言うんだな。
それに比べて、 先生にはさっき変態よばわりされたっけ。

いちいち比べている自分がいてぶんぶんと頭をふる。
今を楽しまないと!
こんなに坂口先生と仲良くできるなんて二度とないんだろうから。
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