仮眠室で囁いて

おまけ

「いいか、仮眠室に絶対に近づくなよ!間違っても昨日のお礼とか、プロポーズをここでとか呟くなよ?」

「うっ!…どうして」

「はぁぁ、絶対入るな!」

出勤の車の中で釘をさされる。

「 頼むから、どうしても入りたいなら言ってくれ!
中にいるやつを追い出すから。
…可愛い姿も可愛いお願いも誰にも見せたくないんだっ!

いちいち可愛いすぎるんだよ麻美は」

先生の言葉に赤くなると
「今夜も泊まれ…いやいっそもう一緒に住むか。
なら、結婚するか。
その前にプロポーズで親に挨拶か。指輪がまだだな。」

先生の脳内が未来へトリップする。
「まっとりあえず今夜は寝かさないからな」

色気たっぷりに微笑んだ先生は、結局今日の手術経過を見るために仮眠室に泊まった。

真っ暗なひとけのない仮眠室で服部先生が小声で囁く。

「…ずっと俺だけを麻美が愛し続けるように。

…ここで呟くのは俺だけでいいんだ。神様サンキュウ。

麻美の恋人になれた。

次は麻美を嫁にする。

頼んだぞ、仮眠室の神様。
俺の方があの日のあいつより先に願い事を言ったんだから」







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