【短】隣のカノジョ
じゃあ、と、俺らは同時に電話を切った。
出かける準備をしながら、さっきの会話を思い出す。
「……どんな顔して会えばいいかわかんねぇから電話したんだっつの」
軽く文句を垂れたところで、誰に聞いてもらえるわけでもなかった。
***
「おー、啓斗」
「うーっす」
大学に着くと、ばったり雄大に会った。
久しぶりに見たその顔は、何故かキョロキョロして俺の周りを気にする。
「あれ、遥は?」
「っ、は……?」
そしてなにを言うかと思えば、俺にとってはタイムリーすぎる人物の名前を挙げた。