【短】隣のカノジョ



考えるとか悩むとか、性に合わないんだよ、俺には。




ピコン、と、スマホが音を立てたのはそんなときだった。



なんだ?また真子か?


そう思って放ったスマホを再び手に戻すと、思わず「マジか」と声が出た。




《ずるい。私は朝から講義だっていうのに》



遥から、だ。




その文の前には《俺は今日午後からの講義なんで》という俺からのメッセージがある。



ただの何の変哲もない返信なのに、何で俺がドキッとしてんだよ。タイミング良すぎだろ、バカ遥。




当たり前のように毎日メッセージのやりとりしてるのも、今考えたら遥くらいだろうか。



あれ、と思った。


俺、電話も2人で出かけるのも、ここ最近誰かとしたか?遥以外の、誰かと。




< 9 / 30 >

この作品をシェア

pagetop