後輩はレンタル彼氏
3話 俺を忘れないで
引き続き、カフェにて
リョウ「リョウ側で秘密厳守なのはもちろんだけど。この関係をやめるってなると後輩としてこんな楽しい話、黙っておけるか自信ないです。ね、藤野先輩」
後輩の顔の津雲くんなのに後輩の顔のまま怪しく笑った。
奈帆「どうしてレンタル彼氏なんて……」
奈帆の質問にリョウは思いつめた悲しそうな顔をする。
リョウ「……お金が、必要なんだ」
奈帆「だからってダメだよ。危険だよ」
リョウ「そういう奈帆だってそのレンタル彼氏を頼んだんだよ? どうして」
奈帆「ちょっと、声が大きい!」
周りのざわめきの中で聞こえないと思うのに、『レンタル彼氏』という響きに何か悪いことをしてる後ろめたさから声を落とす。
その慌てる奈帆を楽しそうな顔で見るリョウは余裕の態度。
『レンタル彼氏』と聞かれても構わないとさえ思えるほど。
奈帆(やっぱりいつもと違う。津雲くんはこんな人じゃない)
リョウ「ねえ、奈帆はどんな理由で?」
なおも聞いてくるリョウへ言葉を濁す。
奈帆「私のことは、いいじゃない」