後輩はレンタル彼氏
レストランに着き、なぜレンタル彼氏をお願いしたのか、奈帆が話し出す。
奈帆「今度、友達の結婚式があって、そこに恋人として出席して欲しいの」
奈帆は疎遠になってしまった友達の結婚パーティーに呼ばれていた。
会費制の気軽な感じ。
その葉書をリョウへ見せる。
葉書に目を通したリョウは当たり前だというような声で言う。
リョウ「行かなきゃいい」
奈帆「どうしても行きたいの」
リョウ「疎遠だったのに?」
奈帆「ええ。元彼も……来るの。温厚でいい人。その、二股を掛けられて気まずくなって……」
リョウ「だから見返したい?」
奈帆「違う! 自分も今は幸せだから心配しないでって言いたいの。というより、そう思ってほしくて。二人は本当にお似合いだから」
リョウ「……二股掛けたって相手が、その美雪って招待状を送ってきた友達ってわけ、ね」
そこまで話していないのに見事に的中されて、奈帆は小さく頷いた。
リョウはため息混じりに続ける。
リョウ「温厚な彼といい子の友達なら奈帆を裏切ったりしない」
奈帆「そんなこと! そんなことない……」
後の言葉は続けられずに、気まずい空気が流れた。