後輩はレンタル彼氏
レンタル彼氏との待ち合わせの場面に戻る
奈帆をじっと見つめる津雲らしき人物。
ハッとして、
奈帆「ごめんなさい。人を待ってるの」
奈帆(たまたまだ。運悪く会ってしまっただけ。津雲くんがレンタル彼氏なんてするわけないもの)
津雲「これをあなたに」
津雲は赤い薔薇を一本持っていた。
それを渡される。
赤い薔薇、それはレンタル彼氏との待ち合わせの目印。
奈帆(なんてキザなんだろうって思ったのに、今日の津雲くんにはすごく似合ってる)
いつものかわいい後輩の雰囲気は影を潜め、今日の津雲は色気ある大人の男性だ。
津雲「リョウです。奈帆。行こう」
奈帆(リョウって……)
戸惑っているのに、雰囲気の違う彼に見惚れて顔を赤らめる。
うつむく奈帆の前に手が差し出された。
奈帆(手を繋ぐ、には丸をつけた)
躊躇しつつその手に自分の手を重ねた。
奈帆(こんな形で彼と出かけるなんて)
リョウ「何? 俺の顔に何かついてる?」
見上げていた視線を慌ててそらす。
奈帆「ううん」
絶対に津雲くんだと思うのにあまりにも雰囲気が違いすぎて戸惑う奈帆。
私が間違えるわけない。
だって私の高嶺の花は彼、津雲くんだから。