ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)
三神くんは終業式には来なかった。


遅刻からの欠席はよくあるので、今日もそのパターンかなと思っていたら、遅れて登校した後は冷房の効いた教室でずっと眠っていたらしい。


ちゃっかりしているというか、さぼり上手というか、今も絶賛夢の中なわけだけれど。


課題、どうするんだろう。


また声をかけた方が、いいんだろうか。


「綾芽ちゃん課題少なくない?これ枚数合ってる?」


ふと、プリントをぺらぺらと捲っていた篠宮くんが声を上げた。


言われてみれば、と私も机の上を確認する。


端と端を整えた数学の課題プリントは、ゴールデンウィークに課された量と大差ない。


むしろ難易度的にはゴールデンウィークの課題の方が高かった気もする。


夏休みの課題にしては、随分負荷が少ないんじゃないだろうか。
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