100年後も、君の代わりになんてなれない
あたしの夢
ここは暖かくて心地よい。
ぽかぽかとした光に溢れ、地面は羽毛のように柔らかい。
何の苦労もしなくていいし、みんな優しくて幸せ。
時折天使がやってきて、地上の出来事を教えてくれる。頭上には、光の輪が浮かんでいる世界。
「天国って、ほんと楽ー!」
あたしは、うんと腕を伸ばし、そのままベッドに倒れ込むようにして、柔らかな地面に体を預けた。
「藤森(ふじもり)さん、藤森優さん!」
声をかけてきたのは、人の顔一つ分くらいの小さな天使。あたしは体を起こして、天使と向かい合う。
「どうしたの? あ、先に言っておくけど、あたしはまだ転生しないからね。家族が長生きして、いつか全員ここに来るまでは転生しないって何度も……」