100年後も、君の代わりになんてなれない

 落ちた先は、見覚えのある部屋だった。

白い壁に、黄色いカーテン。全身を映す鏡やベッド、机が置いてあって、椅子にはあたしの大切な人が座っていた。


「希衣……」


 その後ろ姿は、なんとも小さなものだった。

机と椅子が、無駄に大きく見える。
机に向かっているくせに、手は全く動いていない。

あたしは、希衣のショートカットの間から、彼女が向き合っているものを覗いた。


「わあ。希衣、パソコンなんて持ってたの」


 小さなノートパソコンが一つ、机の上に置いてあった。

やはり声は聞こえていないようで、あたしの言葉に対する返事はない。

よく見ると、これまた見覚えのあるページが開かれていた。

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