100年後も、君の代わりになんてなれない
「え! 希衣も小説書き始めたの⁉」
それは、以前あたしが書いていた携帯小説のサイトだった。懐かしい、楽しくて仕方のなかった日々を思い出す。
「ちょっとー、見せてよ希衣の物語。このページ、まだ何も書いてないじゃない。ほら、動かして……」
「優ちゃん……」
突然、名前を呼ばれたことに驚いて、そのまま固まってしまった。
けれど、希衣はあたしではなく、目の前のパソコンを一点に見つめている。
わけがわからず、あたしは希衣から一歩離れた。
「優ちゃんが叶えたかった夢、私が代わりに叶えなきゃ……」
一瞬、言葉の意味を理解できなかった。ようやく脳に血が巡ると、それは躊躇することなく口に出た。