100年後も、君の代わりになんてなれない
こめかみの少し上、くるりとカーブを描いた黒い角が二本、悪魔を象徴するように生えていた。
「そのような姿の者など、天国には戻せません。どうしても戻ってきたいのなら、ご自分で解決なさってください」
天使の声は、それきり聞こえなくなった。あたしは、目の前のあたしと見つめ合いながら、その場に崩れる。
「嘘でしょ……」
カタカタとキーボードを打つ音が、無性に大きく感じる。
受け入れられない現実に、あたしはただ、希衣を責めることしかできなかった。