100年後も、君の代わりになんてなれない
自分が犯した罪の大きさは計り知れないというように、優ちゃんは俯いたまま肩をすくめ、拳を固く作っている。
その出来事を知って、確かに私は悲しかったし辛かった。でもそれ以上に、書きたいのに書けない優ちゃんの気持ちが痛いほど伝わってきて。
私自身の夢を見つけることができるようにと思ってくれていたことも、複雑な感情だけど嬉しく思った。
「大丈夫だよ。落ちたのは残念だけど、優ちゃんがいなくても落ちていたのかもしれないし。
なるべくしてなるものだよ。私が小説家になりたいんだと気づくのを、待っていたのかもしれない。
そしてそれを教えてくれたのは、優ちゃんだから」
優ちゃんは不安そうな表情で顔を上げた。私はそれに応えるように、微笑み返す。