100年後も、君の代わりになんてなれない
それから月日は経って、高校生になった。
優ちゃんと私は同じ高校に合格し、念願のスマートフォンも手に入れた。
優ちゃんが最初に入れたアプリは、携帯小説サイトのアプリだった。優ちゃんが言うには、あの時読んだ小説は、この中から書籍化されて出版されたものらしい。
そう、あの時から優ちゃんの夢は、人の心を感動させる物語を書く小説家になることだった。
今までネット上では書いてこなかったものの、紙にたくさんの物語を書いてきたこと、私は知っている。
いつの間にか、それを読むことが私の役目になっていた。アプリで書き始めてからも、それは変わらない。
「ねえ希衣! 新作書いたんだけど、これ読んでくれない? 誤字脱字とか、変な言葉があったら、すぐ教えて! あとアドバイスも欲しい!」
私はアドバイスをできるほどの人間じゃないし、語彙力だってない。なのに優ちゃんは、毎度私にそう話してきて、優ちゃんの心の中を見せてもらっていた。