100年後も、君の代わりになんてなれない

女の子を避けるようにして左右に割られた『一〇〇年後も君の代わりになんてなれない』というタイトルのデザインは、何か深い意味があるのではと思わせるほど、しっかりと主張されていて綺麗だった。


そんな表紙の邪魔にならないよう下に巻き付くのは、思わず手に取ってしまいそうなキャッチコピーを書いた帯。


「すごいなあ。こんなに素敵に仕上げてくれるなんて」


 SNSに載せようと、スマートフォンを取り出す。

どこかいい背景はないかと探し回った挙句、机に可愛らしい布を敷いて、その上に本を並べた。

一冊は表を向けて。もう一冊は裏表紙を、その他の本は背表紙を向けて撮影した。

けれど、意外にも暗くなってしまったので、フラッシュをたいてもう一度撮り直す。

今度は表紙が反射して、タイトルが見えなくなってしまった。

なんとか試行錯誤を繰り返し、結果的に一枚目の写真を加工して明るく見せるという方法にたどり着いた。

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