100年後も、君の代わりになんてなれない

「デビュー作の見本誌、届きましたっと」


 あまり自慢のようになってしまってはいけないかと気を遣いつつ、多少の宣伝を入れて世界に発信した。


 画面を閉じて、目の前の本たちと向き合う。夢にまで見た自分の本。ドキドキして仕方がなかった。


「……行かなきゃ」


 目の前の本の一冊を手に取り、丁寧に包んで家を出る。


誰よりも先に読んでもらいたい人がいるから。



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