100年後も、君の代わりになんてなれない
何気ない会話をしていた。それこそ、物語に書かれていたようにあたしたちは二人で登校していたんだ。
気が付かなかった。
向こうからやってくる車の音にもう少し早く気付いていれば、何か変わったかもしれない。命だけは助かったかもしれない。
それでもあたしは、自分の話に夢中になっていたんだ。パターン化した会話だった。
それが、希衣の最期の言葉になるなんて思いもよらなくて。
『大丈夫だよ。絶対出せるよ。人生は長いんだし、優ちゃんの作品、大好きだもん!』