100年後も、君の代わりになんてなれない


 小説は、作者の心が直に見えると思う。


もちろん、完全フィクションで、作家が思ってもないことだって書かれていることもあるけれど、優ちゃんは心の中の世界を、文字に表して公開していたのではないだろうか。


「物語を書いてると、そこで伝えたいことが出てくるじゃん? それってさ、読者に伝えてはいるんだけど、結局作家が一番影響を受けてると思うの」


 これは優ちゃんがよく口にする言葉の一つだった。

初めは理解ができなかったけれど、確かに優ちゃんは、心を文字に表し、それを目で読み取ることによって、自分で自分に語り掛けていたのかもしれない。

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