100年後も、君の代わりになんてなれない
そうだ、結局作者が一番その物語に影響されるんだ。
笑いの対象は、昔のあたしではなく今のあたしの方だ。
何もしようとせず、夢までも忘れて、いつまでも過去に縋(すが)り付いて。
あたしは生きているのに何をしているのだろう。
生きている限り、時間は止まってはくれない。
進み続ける時に逆らうのではなく、過去を腕の中に抱えても前に向かって歩いた方が楽なんだ。
あたしはサイトを閉じて、体を起こす。忘れていた、大切なこと。希衣の最期の言葉。
『優ちゃんの作品、大好きだもん!』
希衣が、あたしの心を動かした。
約一年半ぶりにパソコンを起動させる。少しでもブランクの分を取り戻したかった。