100年後も、君の代わりになんてなれない

 優ちゃんは、生死に関する物語を書くことが多かった。

それによってか、昔はよくふざけている男子に向かって「死ね!」と言うことは日常茶飯事だったのに、「ほんと、あたし、ひどいこと言ってたなあ。全員に土下座したいわ。生きている価値の無い人なんていないのに」なんて言って、反省していたのだもの。


そのときに、『自分が一番影響を受けている』という意味が、よくわかった気がした。


だからかな。優ちゃんの口癖は「生きているうちに本を出したい」だった。


 それを言うたび、私は「大丈夫だよ。絶対出せるよ。人生は長いんだし、優ちゃんの話、大好きだもん」と答えていた。


「人間なんて、簡単に死んでしまう生き物なんだよ。いつ、どんな拍子で死んでしまうかわからない。もしかしたら、一分後に、いきなり心臓が止まってしまうかもしれないんだから」


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