友達イジメ
クラス全員が教室に残っていた原因も、ようやくわかった。


「そんなことをしたの? それは先輩としても見逃せないよ」


サチが険しい表情になってコトネを見た。


「あたしじゃありません!」


コトネは必死になって弁解しようとしている。


「それじゃ、身の潔白を証明しないとね?」


サチはそう言い、コトネを席から立たせた。


クラスメート全員がこちらへ視線を向けている。


「先輩たちには関係ないじゃないですか」


どこからかそんな声が聞こえて来た。


たしかに関係のないことだ。


だけど、サチ自身もちゃんとコトネをイジメないと、カオリさんが願いを聞いてくれるかどうかわからない。


だからサチはわざわざ首を突っ込んでいくしかないのだ。
< 116 / 290 >

この作品をシェア

pagetop