友達イジメ
「あなたたちのやり方じゃ、簡単に言い逃れされるかもしれないでしょ」


サチは適当なことを言いながら、コトネを教室の中央へと連れて行く。


これからなにが行われるのか、楽しみでドキドキしてきた。


「言い逃れできない方法は1つしかない。あなた、ここで全裸になりなさい」


サチの言葉に教室全体が水を打ったように静かになった。


派手な4人組でさえ、黙り込んでいる。


「なにを言い出すんですか!?」


「お金を隠すなら制服の中か、鞄の中しかない。身の潔白を証明したいなら、脱げばいいだけでしょ」


「脱げばいいだけって……。そんなのできません!」


「できないなら、犯人扱いされても仕方ないでしょ。それとも、本当に盗んだとか?」


「そんな……!」


サチの言っていることは無茶苦茶なのに、クラスの誰もコトネを助けようとはしなかった。


放課後までに4人が随分頑張ってコトネの信頼を失わせたのかもしれない。
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