友達イジメ
「この子はあたしの彼氏まで盗ろうとする子だもん。人のお金だって、簡単に盗むはずだよ」


あたしがそう言うと、コトネは目を丸くしてあたしを見つめた。


その顔は徐々に恐怖に歪んで行き、涙が滲んで来た。


「あたしそんなことしてない! なにも盗んでなんかない!」


必死に叫び声を上げるけれど、コトネの言葉に耳を貸す生徒はいなかった。


それところか、この状況を先生に報告する子もいない。


「ちょっと可愛いからって、調子に乗るのが悪いんだよ」


「そうだよね。わざと男子生徒に媚びてて気持ち悪かったし」


「誰にでもヤラせてるって噂、あれも本当だったのかなぁ?」


教室内に聞こえ始めるヒソヒソ声は、全部コトネに聞こえていた。


どうやら、コトネは元々女子生徒から嫌われていたようだ。


その状態で今回の出来事が起こったため、助ける子は1人もいないのだ。


「全裸になって済むなら、なればいいだろ」


男子生徒の1人がそう声をかけた。


その顔はにやけている。
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