友達イジメ
「ほらぁ! ちゃんと洗わないと!!」


スズがお米をリカコの髪に擦り付けて行く。


これで簡単には取れなくなっただろう。


「なんでこんなことするの!」


オカズまみれになったリカコは悲痛な声を上げて、涙を流し始めた。


それでもちゃんと顔をあげず、俯いたままだ。


だから余計に腹が立つ。


嫌なら嫌で、もっとしっかり意思表示をすればいい。


それができないならイジメられたって仕方ない。


「ほんとキモイ」


あたしはリカコの耳元でそう呟き、机を蹴り上げた。


ガンッと響いた音に教室にいたクラスメートたちがビクつくのがわかった。


まとめて脅すことができて好都合だ。
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